わりに最近のことです。喫茶店でコーヒーを飲んでいました。友人は思い出したように話し始めました。
彼も高校でバレーボールをやっていましたから興味のある話だったのでしょう。
彼も人から聞いた話だったようでしたが、まるで見て来たかのように話しました。
よほど印象に残る話だったのでしょう。こんな内容でした。
バレーボールに毎日打ち込んでいる高校生たちが、試合に勝てず何とかしたいと思っていたそうです。
静岡のある高校の話でした。その高校のメンバーの一人が提案をしたのだそうです。
その提案は自分たちの食事の改善をしてみようというものでした。
みんなはそれに賛同して、試合中の栄養補給や練習の合間に食べる「間食」の研究までしたそうです。
肉体改造という言葉はふさわしくないかもしれませんが、練習の運動の仕方だけでなく、
栄養を計画的に取って力の発揮できる自分たちになろうと工夫しようという事なのでしょう。
彼らはこれを続けました。新しい気持ちと強い気持ちも功を奏したのでしょうか。
平成28年の2月、県高校新人体育大会で26年ぶりの優勝を飾ったのです。
勝因について彼らの口から出たのは、先ほどの皆で取り組んだ適切に食べる、そのことが成果につながったと答えたそうです。
彼らがしたことは具体的にはこのような事だったそうです。
エネルギーを補給するために、練習の前と後におにぎりやオレンジジュースなどの間食を取るようにしたそうです。
また毎日の食事の際に、主食と副菜を漫然と食べるのではなく、意識して選択し食べるようになったそうです。
ある大学が監修して行われた測定の結果、彼らの体力向上が見事に実証されました。バレーボール部員の提案の一声は、意外なところにも影響を与えました。近
くの中学校がこの実践に取り組んだのです。
ユニークな弁当も誕生しました。
「アスリート」という名前の付いた弁当や学校給食なのだそうです。
運動した後の疲労の回復や筋肉の力を向上させるタンパク質やビタミン、ミネラルなどがバランスよく含まれている弁当だそうです。
レシピ集もたくさん考え、栄養担当の先生が貧血の予防、集中力のアップを視野に入れた「アスリート給食」を開発して選手たちに提供してきたようです。
それに加え中学生が地元の幼稚園に行って、学んだことをわかりやすくまとめ劇として園児に見せたり、高校生は町内の催しで参加した人たちにアスリート弁当を食べてもらうなど紹介に努めたそうです。地域ぐるみで「食育」と呼ばれる動きが出始めたというのです。
「食育」のモデルケースだと評価されるまでになったそうです。
初めに書いたように、一人の選手の思いが、チームも変え、身近な大人を変え、しまいには地域に大きな波を起こしたのですからすごい話です。
この話を私に教えた友人は、
初めはぼそぼそと話していたのですが、途中から語調が変わり、生き生きとして来ました。
彼にも、そして私の心にも元気を与えてくれたのです。
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